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■高年齢者雇用安定法が改正になりました!

2012.10.25


■高年齢者雇用安定法 24年改正のポイント
★公的年金支給開始年齢と連動している
 
高年齢者雇用安定法には、緩和策措置も用意されていました。それは、企業側は継続雇用の対象となる労働者を再雇用するに際し、一定の基準を定め、この基準に適合した労働者だけを再雇用することができました
 
基準に合わない社員の再雇用を拒否し、再雇用を希望する者全員を継続雇用の対象とする必要はなかったのですが、平成24年の改正では、この緩和規定が廃止されました。これにより企業は平成25年4月1日から継続雇用の対象となる労働者が希望すれば、その全員を再雇用しなければならないことになりました (今後、指針により一部例外規定が設けられる予定)
 
ただし、これには経過措置が設けられ、継続雇用の対象となる労働者の再雇用について何らかの基準を定めていた場合は、以下の期間に応じて、指定された年齢以上の労働者については、引き続きその基準を有効とするものとされました⇒これが今回の目玉
 
平成25年4月1日~平成28年3月31日 : 61歳以上の者
平成28年4月1日~平成31年3月31日 : 62歳以上の者
平成31年4月1日~平成34年3月31日 : 63歳以上の者
平成34年4月1日~平成37年3月31日 : 64歳以上の者
 
例えば、平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間は、61歳以上の社員を再雇用する場合は、これまで労使協定によって定めた継続雇用の対象となる基準が引き続き有効となります。希望者全員を再雇用する必要はありません
 
つまり、平成25年4月1日の時点で、すでに60歳定年を迎え再雇用されているような社員については、今後も継続雇用の対象とするかどうかについて労使協定で定めた基準が有効になり続けることになります
 
逆に言えば、平成25年4月1日以降に、新たに60歳の定年を迎えるような従業員については、最初の再雇用契約の際は基準が無効のため希望者全員を再雇用する必要があります。そして2回目以降の再雇用契約については、再雇用契約締結の時期と従業員の年齢に応じて、労使協定で定めた基準が適用出来るか否かが決まります
 
この期間と年齢は、昭和28年4月2日生まれ以降の男性から(=平成25年4月2日以降に60歳を迎える)老齢厚生年金の支給開始年齢が61歳へ引き上げられる措置が始まることが関係しています。60歳から老齢厚生年金が支給されない社員については企業側に年金が支給されるまでの間、希望者全員の再雇用を義務づけ、収入に空白期間が生じることのないようにしているわけです
 
まとめると、今回の改正により高年齢者の再雇用制度は次のようになります
・老齢厚生年金の支給開始年齢に達する前は、希望者全員を再雇用する
年金が支給される年齢に達すると、再雇用の際、労使協定によって定めた基準を適用すること
  ができ、場合によっては再雇用契約を拒否できる
・再雇用は65歳まで働くことの出来る仕組みにする 
 
■対象となる高年齢者の「基準」とは
継続雇用の対象となる労働者の基準については、厚生労働省から、通達において具体的な事例が示されています
 
≪適切ではないと考えられる例≫
『会社が必要と認めた者に限る』
(これでは基準がないことに等しいためダメ)
『上司の推薦がある者に限る』(同上)
『男性(または女性)に限る』(男女差別に該当するためダメ)
『年金(定額部分)の支給を受けていない者に限る』
(男女差別に該当する恐れがあるためダメ)
『組合活動に従事していない者に限る』
(不当労働行為に該当するためダメ)
 
そして、以下の点に留意されて策定されたものが望ましいとされています

・意欲、能力等をできる限り具体的に測るものであること(具体性)・労働者自ら基準に適合するか否か
  を、一定程度予見することができ、到達していない労働者に
  対して、能力開発等を促すことが出来るような具体性を有するものであること
・必要とされる能力等が客観的に示されており、該当可能性を予見することができるものであること(客
  観性)
・企業や上司等の主観的な選択ではなく、基準に該当するか否かを労働者が客観的に予見可能で、該
  当の有無について紛争を招くことのないよう配慮されたものであること
 
≪具体的な例≫
『社内技能検定レベルがAレベル』
『営業経験が豊富な者(全国の営業所を3か所以上経験)』
『過去3年間の勤務評定がC以上(平均以上)の者』(勤務評定が開示されていること)
  
■「基準」の例
通達の基準を満たしているとは限りませんので
あくまで参考にして、企業の実情に応じた基準を策定する必要があります
 
働く意思・意欲に関する基準の例
引き続き勤務することを希望している者
定年退職後も会社で勤務に精勤する意欲がある者
本人が再雇用を希望する意思を有する者
再雇用を希望し、意欲のある者
勤労意欲に富み、引き続き勤務を希望する者
定年退職○○年前の時点で、本人に再雇用の希望を確認し、気力について適当と認められる者
 
勤務態度にかんする基準の例
過去○○年間の出勤率○○%以上の者
懲戒処分該当者でないこと
人事考課、昇給査定において、著しく評価が悪くないこと
無断欠勤がないこと
 
健康に関する基準の例
直近の健康診断の結果、業務遂行に問題がないこと
直近○○カ年の定期健康診断結果を産業医が判断し、就業上、支障がないこと
60歳以降に従事する業務を遂行する上で支障がないと判断されること
定年退職○○年前の時点で、体力について適当と認められる者
体力的に勤務継続可能である者
勤務に支障がない健康状態にある者
 
能力・経験に関する基準の例
過去○○年間の賞与考課が管理職○○以上、一般職○○以上であること
過去○○年間の平均考課が○○以上であること
人事考課の平均が○○以上であること
業績成績、業績考課が普通の水準以上あること
工事、保守の遂行技術を保持していること
職能資格が○級以上、職務レベル○以上
社内技能検定○級以上を取得していること
建設業務に関する資格を保持していること
技能系は○級、事務系は実務職○級相当の能力を有すること
定年時管理職であった者、又は社内資格等級○以上の者
○級土木施工管理技士、○級管工事施工管理技士、○級建築施工管理技士、○級造園施工管理士、○級電気工事施工管理技士等の資格を有し、現場代理人業務経験者又は設計者である者
企業に設置義務のある資格又は営業人脈、製造技術、法知識等の専門知識を有していること

技能伝承等その他に関する基準の例
指導教育の技能を有する者
定年退職後直ちに業務に従事できる者
自宅もしくは自己の用意する住居より通勤可能な者
勤続○○年以上の者
 
■義務違反の企業に対する公表規定の導入
今回の改正では当該高年齢確保措置については、私法上の効果は与えない代わりに、これを
講じない企業に対しては、社会的制裁として企業名公表制度を設けることとなりました
 
■助成金及びその他
現行の高年齢雇用継続給付金も当然適用になります。また今回の改正で関連会社への転籍による雇用継続も可能となります。(子会社は議決権の50%以上、関連会社は議決権の20%以上など会社法の定義で厚生労働省が定めていますが)
また中小企業のように転籍等が不可能な場合は㈱SBCのような有料職業紹介事業者(アウトプレースメント会社)を利用しあらかじめ定年退職予定者の再就職を支援する場合「労働移動支援助成金」が支給されます。予定では委託費用の2分の1(55歳以上は3分の2)<上限40万円>になります。
また「高年齢者労働移動受入企業助成金」が新設され、他の企業での雇用の継続を希望する定年を控えた高年齢者を、アウトプレースメント会社の紹介により雇い入れる事業主に対して、助成金が支給されます。
 
 以上、を踏まえた上で労使協定を中心としたアドバイスや提案の材料にしてください。